特別研究


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■  ジュニア世代を中心とした総合型地域スポーツクラブ設立への提言



 
これらの調査やインタビューから、可児市は基本的にスポーツ少年団や部活動の基盤がし
っかりしている地域であるといえるので、この組織を生かした総合型地域スポーツクラブつくりを目指していけばよいと考える。

「ふくのスポーツクラブ」や「パレススポーツクラブ」は、活動拠点が学校のスポーツ施設でな
くて、市や県の施設にある。それに対し、可児市では学校施設を拠点にした地域総合型スポーツクラブを目指すことになる。「ふくのスポーツクラブ」でも小学生から高校生までの年代層は
総勢1131名、クラブ員のおよそ35%を占めている。この事実は、クラブに加入しているこの年代の子供達が、楽しみやリラックスの場所として位置づけているものと考えられる。学校の
競技志向型の部活動と健康増進やスポーツの楽しさ体験型の総合型スポーツクラブとの棲み分けができているといえる。

一方、「パレススポーツクラブ」のジュニア世代のクラブ加入数は小学生で347名、中学生
で77名、会員全体の約38%を占める。このスポーツクラブの特徴は、学校教育現場に無い
スポーツ種目を選んで実施し、トップ選手の養成とスポーツ好きの子供を育てるところにある。これは可児市が目指している、部活の選択加入を実践しているといえる。

  可児市が設立を目指す総合型スポーツクラブは小学生から中学生までのジュニア期に焦点
を当てたものである。部活動とクラブとの施設利用の工夫や指導者の有効利用を考えて、そ
の設立への提言を考える。

〔活動の拠点〕
 
まず、基盤となる地域の範囲は各中学校単位とする。これは、すべての人が気軽に移動で
きる範囲であるし、最低でも小学校、中学校に一つずつはグランドと体育館があるので、多種目の活動が同時刻に実施できるからである。学校の施設だけでは場所が少なすぎるという問題があるが、総合型地域スポーツクラブの特徴である「多世代」というものを生かし、小学校の体育館、グランドなども共有し、弾力的な活動ができるようにする。

〔組織と対象〕
 
小学生に関しては、4年生以上の学年は、現在のスポーツ少年団の活動を続ける。そして、まだスポーツ少年団として活動していない、1〜3年生までの児童に対し、トータルスポーツで
の運動クラブを開設する。この運動クラブは、総合型地域スポーツクラブに加入している児童
であれば、いつでも参加することができ、ニュースポーツや、季節に応じた遊び、スポーツを通して、競争ではなく体を動かすことの楽しみを体感させる。

この運動クラブの指導者は、スポーツ少年団の指導者や中学生、体育指導員などが協力
して指導することとする。指導者に関しては登録リストを作り、定期的に講習や実技研修を行い、常に指導レベルの向上を目指す。

中学生は現行の部活動に、より積極的に地域指導者の方に参加してもらい、地域ぐるみで部活動を運営できるようにする。その際、地域指導者は学校、顧問教師と十分な連携をとり、あくまで部活動は教育の一環であり、生徒の人間的な成長をさせるということを徹底させる。
また、地域の一員として指導しているという自覚を持ってもらうことで、自分の子供が引退して
も継続してその中学校で指導できるような体制つくりをする。

そして、総合型地域スポーツクラブの会員には何らかの特典を付加する。市のスポーツ施
設を会員料金で利用できたり、プロスポーツ選手を招いた技術講習会に参加できたりするなど、事務局は利用者に魅力ある企画を考え、実行していく。

〔部活動との棲み分け〕
 
児童、生徒に幅広くスポーツに親しんでもらうために、現在、学校開放として体育館やグラウンドを使用している時間帯に、スポーツセミナーを行う。これは、学校の部活動に固執せずに、そのスポーツをやりたい児童生徒が集まれる場にする。だから、スポーツ少年団や部活動で
は野球をやっているが、友達とバスケットボールもしたい、という子が活動することもできる。ここでは、地域指導者の方が中心に指導することになるが、学校の先生や地元の高校生にも積極的に指導者として加わってもらえることを期待している。また、夏で部活を引退した中学生にも、硬式野球ボールを使った基礎的な講座や、トレーニング方法など、将来のことを視野に入れたセミナーを開く。

〔総合型スポーツクラブの将来像〕
 
将来的には、この総合型地域スポーツクラブで活動した生徒が高校生、社会人になったときに指導者として参加し、社会人でサークルを作って総合型地域スポーツクラブの中で活動し、体力や健康の維持増進を期待する。最終的には地域住民を巻き込んだスポーツクラブの設立を目指す。競技力の向上、体力・健康の維持増進、心身のリラックス(文化サークルを含む)を目指して、地域を活性化させるスポーツクラブを育てる。

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