SQUARE富山FC主催「サッカー教室と講演会」 実施記録

「総合型地域スポーツクラブ」について

 高校を卒業してすぐに渡欧、ドイツサッカーチームに参加、指導者ライセンスを取得して帰国、ドイツではスポーツクラブに所属していたので、「読売クラブ」サッカーチームがあるというので参加したが、ドイツのサッカークラブとは違っていました。サッカーだけしかなく、地域の人々も集まらない。ドイツのスポーツクラブは、小学生は午前中しか授業がないので、午後はスポーツクラブで遊んでいる。金曜日の夜は家族でスポーツクラブに集まり、近所の人々と共に食事をして楽しむ。8時頃、子供を寝かせるためにいったん家に帰り、またスポーツクラブに来て、おしゃべりやダンスを楽しむ。スポーツクラブが生活の中に組み込まれています。そんな生活を体験してきました。

 日本とドイツのスポーツを比べたら15歳以下は日本が断然強い、15歳以上になるとドイツが強い。その理由は子供の頃の遊びにあると思います。子供の時どれだけ遊んでいるかによって、大人になったとき心の広さが表れると思います。日本のサッカーが今弱いのはそのあたりにあると思います。

 諸外国は「スポーツクラブ」がしっかりしていて、スポーツを楽しむことを子供の時から身体に覚えさせる。一生やるスポーツを子供の時に身につけています。サッカーでいえばボールを扱う技術を子供の時に身につけさせる。だから大人になっても、自分の年齢にあった強さでサッカーやいろいろなスポーツを楽しむことができます。生涯スポーツとしてやっていけます。99.9%の人はプロにならない、0.1%のためにスポーツをやっていてはだめだと思います。

 スポーツをする目的は健康であるための基礎作りとスポーツを楽しむための2つであると思います。スポーツをすることが大学の受験に有利だとか、就職に有利だとかいうのは間違っていると思います。「スポーツは根性を作る」といって、「やる気を出せ」、「がんばれ」と指導者は強さを強要します。スポーツはやりたいときにするべきで、強要すべきものではありません。コーチは「もう少しやりたい」と思うところで「また明日」といって自分がやりたいと思う心を引き出してやることが必要です。

 スペインのバルセロナという都市に、バルセロナというサッカークラブがあります。大変立派な施設を持ってます。それは12万人を収容できるサッカースタジアムを中心に質の高い立派な施設です。12万人収容のサッカースタジアムでの試合にはいつも満員でチケットをとるのは大変難しい。その理由は一般に売られるチケットが少ないということで、一般に売られないチケットはどうしているかというと、年間予約のリザベーションシート(年間予約席)が11万もあって一般に売られるシートが1万枚しかないということです。それはバルセロナスポーツクラブ会員が予約しているからです。バルセロナスポーツクラブ員は全部サッカーをしているわけではありません。いろいろなスポーツをやっていますからバレーボールをする人もテニスをする人も自分のチームの選手が出るということで、みんなで応援しに行きます。このスポーツクラブのプロチームはサッカーとバレーボールであとはいろいろなスポーツをやっています。1週間に2回、1回2時間程度の練習であとは遊びに来ています。週末には家族でスポーツクラブに食事に来ることもあります。スポーツをやっている人を見ながら飲み食いし、楽しく話しをしています。スポーツクラブがコミュニティの場になっています。Jリーグはそんなことを目指しましたが、鹿島アントラーズ、読売ベルディ、清水エスパルス何処も経営が苦しい、それはサッカーしかやっていないからです。日本ではサッカーファンという若い人しか行きませんが、外国では家族でスポーツクラブに行きます。

 ドイツの考え方は、病気になる人を作らない為に投資するという考え方で、行政がスポーツクラブを設立したい人に、内容を確かめて土地を貸します。設立者は多種目のスポーツクラブを作り、子供達、大人、老人らが一同に集まり、感性を共にはぐくみます。昔は日本でも、祖父母で近所の子供を育てました。子供は会で育てることが大切です。

 21世紀のトレンドは「総合型地域スポーツクラブ」を創り、家族で楽しむ時代だと思います。昔は公民館などで映画を見たりして近所の人が集まりました。いま地域の人が集まるということはほとんどなくなりました。地域の人が顔見知りでないと、いざというとき、例えば阪神大震災のときのように、万が一のとき力を合わせることができます。いつも楽しいことをやっていれば苦しい時にも力を合わせることができると思います。

 では、何故スポーツクラブなのかというと
 (1)地域に文化を起こすことができる。
 (2)少年時代に感性を築くことができる。
 (3)家族の絆を深めることができる。

 そのためにはどうすればよいかというと
 (1)レベル(年齢)にあった専門的コーチがいることが必要です。
 (2)楽しむ環境作りとして、クラブに多種目のスポーツができる施設を創ること。
 (3)子供には技術を、中学生には体力を、高校生以上には試合を進めるための戦略を教える必要があります。

 先にも言いましたが、ドイツでは60歳以上でもスポーツができます。それは、小さいときの技術がしっかりしているからです。日本では体力がなくなってくるのに加え技術がないのでスポーツにはなりません。日本では縦割りで、先生は絶対、コーチは絶対という意識があります。先生やコーチの指示どうりにやるのがいいと思っています。スポーツは、特にサッカーでは自立した意識が必要で、創造的な活動が必要です。命令で動くのではなく、自分の判断と、自分の意志が必要です。

 スポーツをやって、命令で動くのではなく、自分の意志と判断で生きて行く自立した人間を創るために「総合型市域スポーツクラブ」を創ろうではありませんか。


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