富山県生涯スポーツ協議会主催 地域スポーツ指導者研修会 議事録

◎講 演 
 「国体後の課題スポーツ振興とその課題」
   講師 大阪府立門真スポーツセンター館長  橋爪 静夫 氏

・ 大阪なみはや国体が決定するころ富山はもう動き始めていた。(10年以上前。)
・ 国体を数日限りのお祭りで終わらせないようにしなければならない。
・ 大阪のスポーツ施設をマッピングし、主要スポーツ施設の見直しを行った。国体までに公共スポーツ施設倍増計画を推進し、166ヶ所もの新しいスポーツ施設をつくった。
・ 国体後は、次の5つが課題である。

 1 高まった県民のスポーツ意識を生涯スポーツにつなげ、維持し高めていくことが必要である。
 2 整備されたスポーツ施設の特性を生かした管理・運営をし、効果的・効率的活用を図る。
 3 スポーツ指導者・関係団体等人的資源の有効活用を図る。
 4 各種スポーツイベントを継続的に開催する。
 5 スポーツ振興組織の整備・拡充

・ 国体には8,000億円以上の経済効果があるといわれているが、これを1兆円にするか無駄にしてしまうかは上の5項目にかかっている。
・ それまで国体にはどこの都道府県でもおよそ28億円の競技力向上費が使われていた。これを無駄にしないよう(優勝のあとも引き続き好成績をとりつづける)にするため、長期的展望にたった選手の育成が大切である。その場限りの育成や強化ではいけない。
・ なみはやドームは年4〜5億円の赤字が出る。赤字になってもいいから値打ちのある事業をすることが大切。それぞれの施設がその特色を生かした魅力ある事業をすることが大切。
・人、物、金をつぎ込んだ後、どれだけの効果があったかを検証する必要がある。しかし、金の計算だけではなく金額以外の見えない効果がある。その県のスポーツ振興にどれだけ貢献したかを換算することが大切。採算は取れない、しかし公共の福祉に貢献する必要があるから行政はスポーツ施設に金をかける。
・ なみはやドームがその特徴を生かして行うこれからの事業とは、広域型のスポーツクラブを育成することである。中核施設でしかできない市町村ではできない各種スポーツ団体を巻き込んだ数万人規模のスポーツクラブを育成する必要がある。そして、一流のプレーを多くのクラブ員に見てもらえるようにしたい。
・ 強力なスポーツ指導者組織は、国体後に放置され、役割を果たさなくなることが多い。これを再編成して地域、地区、市町村、エリアに根付かせるコーディネーターの役割をするのが体育指導委員の役割である。
・ スポーツ指導者は、全体の中の1スペシャリストであってコーディネーターではない。施設利用や指導者派遣等の調整も行える体育指導委員が必要である。
・ 指導者は、すずめの学校(むちをふりふりちーぱっぱ)ではいけない。めだかの学校(誰が生徒か先生か)でなくてはならない。特に地域においてはそうである。
・ 事業は、お祭り型(練り歩く。無駄がある。あおりたてる。活動自体が喜び。)でありたい。ボート型(一人がリードしあとは後ろ向きにこぐだけ。十人一色にして勝ちにいく)のではいけない。

◎シンポジウム 「21世紀の富山のスポーツシーンを考える」

  発言者  大阪府立門真スポーツセンター館長   橋爪 静夫 氏
        ふくのスポーツクラブ会長   大西 清征 氏
        山田村ソフトバレーボール協会会長   山岸 清志 氏
        富山県体育指導委員協議会副理事長   岡崎 明子 氏
   司会者 三重大学教育学部助教授   水上 博司 氏

■司会者 水上

・明治以降「競技会」という道具でスポーツ振興をしてきた。しかし、制度疲労している。21世紀のスポーツシーンを語るときこの競技会だけで語るのは無理。これを超えるのがクラブライフである。何かを変革するときは、見直さなければならない。問題が明確にならないと直せない。

■大阪府立門真スポーツセンター館長 橋爪
・スポーツ振興は学校教育と同じ。目立たない。すぐに効果が出ない。手抜きしても目立たないが手を抜くと大変なことになる。ボクシングのジャブと同じ。10年1スパンで考えることが大切。
・指導者には、1先見力 2情報力 3判断力 4決断力 5体力 6行動力が大切。さらに1戦略力 2戦術力もあるといい。
・1日的行事奨励から日常的継続的なものに
・スポーツ啓発からスポーツの定着へ
・時代の要請ニーズにこたえよう。スポーツメニューの輪切り現象を改めよう。
・競技人口の急落 → ソフトバレーボールの開発 400種以上のニュースポーツあるが定着したものがほとんどない。第3のとして世界中に広まるであろうといわれた。小学校教材への導入に成功した。
・青少年のスポーツ実施率を高めるため「日本ヤングクラブ連盟」を設立。全国の中高生のクラブによる大会を開催した。また、企業スポーツの後退を食い止めるため日本クラブバレーボール連盟を提言し、クラブで楽しむ方のための連盟を作った。
・総合型地域スポーツクラブにソフトバレーボール、バレーボールをどう位置付けるかをバレーボール協会の評議員会で提言した。10年後に全国各地の総合型地域スポーツクラブで多様なバレーボールメニューが行われているのを見るのが楽しみです。

    勇気のないものは、人生の勝利者となることはできない
    知恵のないものは、仕事を掌握することはできない
    温かい心のないものは、人を動かすことはできない

■司会者 水上
・バレーボール協会は、リベラル ワールドカップにARASIを使った。

■ふくのスポーツクラブ会長 大西
<ふくのスポーツクラブ運営組織について>
・どの理事も生き生きと活動している。
・フレッシュな気持ち、なんとしても成功させようという気持ちが大切である。
・総合型育成前の基礎があった。→スポーツクラブ連合
・今までは行政の請負だったが、現在は自主的。絶えず担当者と連絡をとりあっている。

<スポーツクラブによる効果>
・一人ではスポーツはできない。会員になれば気軽に参加できる。
・5月31日のチャレンジデー参加。勝てなくてもいい、課程が大切。クラブとして全面的にかかわり、主になって進めていきたい。
・地区でできなかった大きな行事がクラブでできる。

<ふくのスポーツクラブの今後の展開>
・会員を5,000人にしたい。
・失敗を恐れずに、何事にも取り組みたい。
・クラブハウスは夢。何とか実現したい。
・子供たちに夢を与え、励まして育成していきたい。
・これからも情熱、勇気、行動力で福野町に貢献したい。

■山田村ソフトバレーボール協会会長 山岸
・山田村 人口1980人 昔は4,000人 S35〜45で半数になった。
・過疎地域の指定を受けている。
・保育所 57名  小学校 119名  中学校78名  計54名の子供しかいない
・高齢化の村で、昨年の新生児は9名しかいなかった。
・青年に魅力ある村をということで牛岳温泉スキー場が作られた。今年で29年になる。
・村を過疎にしている「雪」を逆に利用してやろうという発想から、冬季の雇用確保・交流人口の増大。(にぎやかになり、心も豊かにという意味もある)
・パソコン(電脳)の村 350戸に無料でパソコンを配布。在宅医療にも一役かっている。
・スキー インターハイ、国体に選手を送り込んでいる。ボート(八尾高校) フェンシング(富山西高校)にも。
・県教委にすすめられ、ソフトバレーを村の行事としてはじめる。
・ファミリーで楽しむことができ、子供にも役割を与えスポーツを通して教える。ほほえましいスポーツの姿があり、子供が素直に育った。(地域教育力)
・H3から愛好者のソフトバレーボールクラブ
・年会費 大人1600円 子供1000円 H6に協会になる(体協から5万円 村から10万円の補助)
・大人と子供の役割が明確化し、自主性をもってやったことに村が共鳴してくれた。
・これからもスポーツを通した地域作りに貢献したい。

■富山県体育指導委員協議会副理事長 岡崎  
<女性が果たすべき役割>
・東京オリンピック(東洋の魔女)から、女性スポーツの参画が始まった。
・以前は女性がスポーツシーンに参加することが少なかった。(見る、お茶くみの世界)
・ママさんバレーが、男性スポーツ界に切り込んでいった。
・県や国が後押し 女性青少年課 ウーマンフェスティバル(女性の手による女性だけのスポーツ大会)土壌を与えて下さった行政のおかげである。
・富山県の体育指導委員(人口853人に一人、女性470名35.7% ともに全国1)
・女性部会の立ち上げ全国でいちはやく、スポーツ以外の女性団体との交流のきっかけとなった
・健康というもので結びついた総合型女性クラブである。
・女性部はH8から発展的に解消し、男性と肩を並べて活動した。
・やりがいもって楽しく、男性とパートナーシップをとってonly one の活動(自分らしさをもった活動)であった。
・子供のころから運動が大好きな子に、ファミリースポーツから入ってコミュニティスポーツへのデビュー
・学校2002年から週休2日 スポーツを地域で 会社人間も地域に帰ろう。
・これまでの1種目にこだわったクラブ員の固定、少数化→複合、総合化していこう。
・施設の有効利用、若年層の入会、子育て支援も忘れずに。
・勝ちたいスポーツと、楽しみたいスポーツの調和が大切である。(意外性を持った種目の導入も)
・「選手をやめるからクラブをやめる」ではだめ。乗換えを指導するのが体育指導委員である。
・転ばぬ先の健康スポーツ活動。
・今までは選手、これからは自分にできることを縁の下の力持ち。
・「ふるさとみんな元気スポーツ運動」をやりたい。

■司会者 水上
・フロアーの方々がやっている、今のスポーツ活動が子や孫の世代まで続きますか。
・指導者がいないとすたれる、これが今までの日本のスポーツであった。
・指導者がいなくなっても地域や家族で支える。この体制が総合型地域スポーツクラブである。
・何かをするときは互いに主張する。主張するとぶつかる。そして妥協する。ここから公共性というものが生まれる。
・今日パネラーからいくつものヒントをもらった。心に響いたことを持ちかえって、地元で生かしてほしい


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