平成12年度富山県女性体育指導委員研修会 議事録


講義
 「総合型地域スポーツクラブをもっとわかりやすく!!」
 文教大学人間科学部 松永 敬子 氏

○総合型地域スポーツクラブのイメージ
 これまでの学校中心・行政主導・単発的な一日行事・教室・競技会等のシステムを見直し、地域に根ざした多種目の公共性を伴ったスポーツクラブの育成により、生涯スポーツの基盤を整えていく。

   ・従来のスポーツクラブ    ・総合型スポーツクラブ
    単一種目型           多種目型
    同一世代型           多世代型
    行政依存型           自主運営型
    分断型              一貫指導型
    勝利志向型           多志向型
    小規模              大規模
    特定の対象           すべての対象

○総合型地域スポーツクラブの魅力
・身近な存在・・・誰もが身近な地域で多様なスポーツを楽しめる
・スポーツ情報の一本化・・・広報誌を通して身近な情報を入手
・専門的な指導を受けることができる・・・有資格者の配置
・青少年教育プログラム・・・多様な教育プログラムの可能性
・一貫指導・・・長期的な視野に立った指導が可能
・出会いと交流・・・3世代交流・地域コミュニティの形成、人づくり
・国際交流・・・スポーツは世界共通
・施設の有効利用・・・施設の週7日制
・ボランティア意識の醸成・・・所属意識の中で芽生える意識
・スポーツライフの成立・・・ライフステージに応じた活動
・地域への誇り・・・地域への愛着心

○総合型地域スポーツクラブの備えるべき条件
・概ね中学校区をエリアに、地域住民の10%以上の会員数を目指す
・受益者負担と会員の自主運営を基本とした住民による住民のためのクラブ
・子どもから高齢者・障害者を含め、あらゆる年齢層が会員対象
・複数種目や文化プログラムの中から、各自が選択
・会員以外にも開かれたイベント等の活動
・地域にある施設を有効利用し、会員の交流の場としてのクラブハウスを持つ
・年間報告書を作成し、クラブ公益性・透明性を高める
・将来的には、法人格の取得を目指した組織運営を行なう

○高まる体育指導委員への期待
・総合型地域スポーツクラブの自主運営を前提とした準備委員会そして、運営委員会の立ち上げからクラブ運営まで、コーディネーターとして多大な期待が寄せられている。
 →しかし、期待されてもまだよく分からないというのが本音では?

○実態調査報告(体指と総合型地域スポーツクラブの関わり)
 →認知度 : 知っていた 51% 知らなかった 48.1%
  設置率 : 3.4%(3,224自治体中108自治体)

 関わり方:体指が指導者   58.8%
       体指が運営委員会の中心的構成員  42.2%
       体指協議会が設立母体  24.5%

 必要性 :84.8%⇒ 積極的な啓蒙活動  80%
              クラブ設立のキャンペーン  61%
              指導者や住民の取りまとめ役  59%

○実態調査報告(体指個人が考える総合型地域スポーツクラブ設立阻害要因)
 →
  1位 体制が整っていない  65.0%
  2位 活動施設がない  42.2%
  3位 指導者が不足  41.1%
  4位 人材がいない  39.5%
  5位 住民のニーズがない  35.6%

・学校施設や体指・体協の地域資源の活用で補える理由
 地域資源をコーディネートする体指や協議会のリーダシップが必要。

 できない理由を探す前に、できることは何かを考えてみよう!

○ステップ1
 まずは、体指から何かを始めてみましょう。
 現状把握が一番重要です。
 地域の特性・現状・活動・施設・組織・人口など問題点を体指の中で整理し、その問題について共通理解をしてみましょう。そこから、少し何かが見えてくるはずです。

○ステップ2
 共通理解をする輪を広げましょう。
 現状把握ができたら、体指だけでなく、既存スポーツ関係団体、学校、公民館、自治体、子ども会、老人会、青少年健全育成組織、PTA、福祉関係組織、生涯学習関係組織などに働きかけ、地域のスポーツ・運動・健康・高齢化・青少年育成などの特性・現状・活動・施設・組織・人口などに関する情報交換や問題整理の場をつくろう。

○ステップ2⇒ステップ3
・共通の問題点・悩みを整理してみよう!
 家庭で・・・
 学校で・・・
 体協関連で・・・
 スポー少で・・・
 福祉関連で・・・
 生涯学習関連で・・・
・「女性」「体育指導委員」がキーパーソンとなる

○ステップ3
 準備委員会を立ち上げましょう。
・体指だけでなく、既存スポーツ関連団体、学校、公民館、自治体、子ども会、老人会、青少年健全育成組織、PTA、福祉関係組織、生涯学習関係組織などに働きかけ、協力者を募り、準備委員会を立ち上げましょう。
・準備委員会では、総合型地域スポーツクラブについて、理解を深め、その地域の実情に合ったクラブをデザインする。

○地域に密着し、クラブの核となる熱い人材の養成・確保
・順調なスタートを切っている地域に存在する人物
  クラブのビジョンを持ち備えたコーディネーター
  キーパーソンを支える仲間
  ↓
  クラブマネジャーの重要性

○目指すべき目標と方向性を明確に!
・総合型地域スポーツクラブをつくることが一義的な目的ではなく、成果としてついてくる。
・青少年育成や体を動かすことが楽しいと思える仲間を増やすということが出発点。
・今や目先の数年だけではなく、中長期的なビジョンの確立
・自主運営や受益者負担を早い段階で浸透

○地域特性に応じた総合型地域スポーツクラブの育成
・それぞれの地域の実情、特色を活かした新しい発想からのスタート
・住民主導、行政支援型のシステム
・広域スポーツセンターの活用
 1)共通理解・・・現状把握
 2)明確なビジョン・・・合意形成
 3)中核となる推進母体の立ち上げ・・・準備委員会

○これでいいのか、わがまちのスポーツ
○体指が変わり、地域が変わる!
○できない理由をあげるより、今できることからはじめよう!

・運動・スポーツ・文化活動を通して、ひとりでも多くの地域住民が健康であるために・・・そして継続的に交流できる場を確保するために
 ⇒2010年までに、各市町村にひとつ以上は総合型地域スポーツクラブが設立され、スポーツに参画する住民が少しでも増えるためには、体育指導委員のパワーが重要になる。

 今後の皆さんのますますのご活躍を期待いたしております。


戻る