■第1回総合型地域スポーツクラブ育成研修会:砺波地区

挨拶
山森指導課長(広域)
・ 少子化によるこどもたちの減少、学校部活動の休・廃部、企業スポーツの衰退などスポーツ環境は変革を求められている。又、地域のコミュニティー不足も問題視されている。ここでは各地域での育成の課題を語り合っていただければと考える。
・ 昨年から県下4地区で行ってきているもので、昨年度は各市町村の体育協会をはじめとする各種スポーツ団体を中心に行ったが、本年はとくに学校のスポーツ環境との連携を協議することに主眼をおいている。

事務局説明

部会協議
 「砺波地区各市町村のジュニアスポーツや学校部活動の問題点や課題について」
  1,学校教員から部活動やスポ少においての現状や問題・課題の発表
  2,学校関係者以外は、まわりから見た部活動やスポ少の現状や問題・課題の発表
  3,課題や問題点について総合型クラブの事例から参考になるものを発表

A部会
○行政から学校現場へ移動して思うこと。
「おやべスポーツクラブ」へ中学生を加入させることについてクラブの理念はいいし良さは理解しているつもりであるが、実際の顧問の考えとして「部活における教育目標」とのズレがあるようで上手に集団が作れないのではといった不安が拭い去れないし、保護者への説明が難しい。また、教員が、クラブ加入へひっぱっていっていいものなのか考えさせられるところがある。顧問が、ひっぱると子供はそれについていくだろうが・・・。
○クラブへの理解は、子供もそうだが、保護者の理解が必要である。おやべスポーツクラブのホッケー教室の件で保護者会の場で保護者側からスポーツクラブについて加入しないのかといった意見が出され、スムーズにクラブへの取り組みができるようになった。
とにかく、教員(顧問)が一人で考えて結論を出してしまうのではなく、たくさんの指導者や保護者の意見を聞いて取り組んでいくことが大切。それが、子供たちの幸せにつながるし、競技力の向上にもつながっていくのではないか。
○保護者に対して、学校へもクラブへも費用がかかることを説明しきれないし、クラブの夜間の活動にも不満をもった保護者もいるだろう。特に高校は、広域から生徒が集まるので活動時間帯を考慮する必要がある。
また、本来総合型は、運動にかかわりを持っていなかった人のためのクラブというのが基本コンセプトではなかったか。高校運動部活動としては、今の段階でクラブに対してのメリットを感じていない。運動部活動以外の子供にとってはいいことで、どんどん楽しみを求めればいいと思う。
○新体操のような特殊な種目については、競技といった観点でみると、幼いころから基礎をきちっと身に付けてから中学へ入ってくるのが一般的で、そうでないと競技会で戦えない状況にある。福野は、中学校になってから初めて新体操に触れる子もほとんどで、なかなか勝てる状況にもっていくのは難しい。
ふくのスポーツクラブで、小学生対象にした新体操教室を開催しているが、競技の基礎というよりは、楽しさを前面に出した底辺の拡大を目指したものになっている。総合型のクラブに望むとすれば、競技の基礎をきちんと学ぶコースと、現在行っている、底辺拡大の楽しいコースと2本立てで考えてもらえるといいと思う。
○学校運動部活動の顧問でも名前だけの顧問も居るのではないでしょうか。そんな情報がクラブにも入ってこないし、クラブに力を貸して欲しいとの要請があれば応じるのですが。学校は、何か聖域で入り込めない雰囲気がある。
○今、聖域という話を聞いたが、自分自身思い返してみると、自分ひとりで壁を作っていたのかなと反省しています。でも、教科、道徳、特別活動、部活動など学校教育全体で子供を見ているという思いが、自分が一番子供のことを知っているという感覚になっていたのだと思う。部活からはなれた活動をつくっていく点で地域の力を借りたい。
○小さな村は、指導者が居なければ部活動自体衰退してします。地域の指導者の積極的な関りが必要。
○学校にいて、福岡町にはUクラブがあるのに、クラブのことがほとんど聞こえてこない。クラブに何ができるのか、どんな可能性があるのか知りたいし、意見交換の場があればいい。
○小学生時スポーツ少年団で活動していたが中学校ではその種目の部活動がなく活動ができない。こんなときに、スポーツクラブでその種目があればいいと思う。中学でできない部分をクラブでという考えもいいと思う。
○スポーツ少年団の活動は、年々競技志向や専門的になってきている。体育の授業においてもスポ少とそうでない子の差も著しい。バーンアウトしてしまわないか心配な面もある。スポーツクラブという場で、週1回でも異年齢での活動があれば価値の高いものになると思う。
○中学・高校とも県下で活発に活動されている部活動もたくさんある。そういった活動を否定したり、すべてを総合型に取り込んだりという考えではなく。現状としてうまくいかないところ、総合型と連携をとることでさらによくなるというところから取り組んでいけばいいのではないかと思う。

B部会
○利賀でバドミントン部のエキスパート指導者をしているが中体連の大会についていけない。地域の指導者、顧問の間に線が引かれている。
○福光では学校週5日制の受け皿として小1〜3年を対象に教室を開いている。その講師は地域の先生にお願いして常時2〜3人出ていただいている。
○福光スポーツクラブの準備委員のメンバーであった。立ち上がりからなかなかスムーズに行かない面があった。部活動のあとスポーツクラブに移るが生徒によっては塾と天秤にかけて全員がスポーツクラブに参加とはならない。
○福光スポーツクラブのジュニアスポーツ教室の講師として、また子供がそれに参加していてとてもいい。スポーツだけでなく自然観察や釣など子供の興味関心を引くものであった。 井波中学校ではバスケ部女子の顧問をしていて全員総合型のクラブに加入して活動している。6時まで部活動でそれ以降スポーツクラブでの活動になるが、指導者は同じであり部活動の延長になっている。複数の指導者がほしい。
○井口中学校の運動部は男子バドミントン部、女子ソフトテニス部で文化部も1つだけである。生徒数が少ないことから部活動が苦しい。
○砺波北部小の教諭で現在スポ少の事務局をしている。児童のスポ少の加入率が年々低下しいている。スポ少の施設でプレハブがあるが雨漏りがひどく直したいが、市教委からは北部小学校で直してほしいと言われている。また、年によって種目ごとの人数に差があり今はサッカーに人気があり、サッカーの指導者から場所と時間を増やしたいと言われているが、野球との兼ね合いがあり調整が大変である。
○スポ少では年2回代表者会議を開いて調整している。小矢部スポーツクラブでホッケーのスポ少、中学校両方の指導をしている。
○スポ少のホッケーの練習がきつく疲れている児童が多い。スポ少でホッケーをしていても中学校では続けていかない子がいる。
○蟹谷では学校週5日制にともない第1,3土曜日は小学生対象、第2,4土曜日は中学生対象でやりたい生徒が集まってエキスパート指導者と協会員が指導している。部活動は6時までで、6〜7時はエキスパート、保護者が生徒の面倒を見ている。
○福野では剣道の小、中、高、一般が一貫して行っている。その中で段階を追った指導法がわかる。それに対し、柔道の指導者のほとんどは接骨院の方でいそがしく、役場の人がスポ少の柔道を見ている。

発言に対しての質問
・ 教員が学校のスポ少に関わっている。教員が自分の地域のスポ少に関わるのかどうか。
・ 中学校の運動部の顧問で専門外の種目を見ている割合は8割くらい。外部指導者がほしい。エキスパートの指導者は中体連の大会に出られるようになった。
・ エキスパート指導者として部活動をみているが、3年程で顧問の先生がかわる。そのたびにどのような顧問なのかということで関わりに不安を感じる。
・ 中学校では指導者の絶対数が不足している。そのため地域の指導者にお願いすることが多くなり、指導者と顧問との意思疎通が大切になってくる。

C部会
○自分の校下は、おやべSCの活動拠点から遠い。活動するには移動が大変。アクセス方法を考えないとなかなか関われない。
○砺波市は地区体育振興会をすべての地区に立ち上げ、そこから総合型地域スポーツクラブつくりを進めていく方針である。
○準備委員会や運営委員会で関わらせていただいたが、かかわれば関わるほど難しく分からないのが総合型地域スポーツクラブというイメージであった。
○少子化から部の存続が難しい。先輩のいない部がある。小学校から子供の取り合いのような現象が進んでいる。(青田刈り)顧問が専門外の担当をしている場合が多く、総合型地域スポーツクラブの事業や部の指導がなかなかつながらない。
○自分が指導している柔道部はチームが組めない。第1希望で入部先を選ぶとマイナースポーツにはなかなか入らない。専門外種目の顧問になるとある程度以上はなかなか技能を伸ばしてやれない。また、地域の指導者を生かすことも難しい。中学校での部活動は限界かと思うこともある。
○学校週5日制になり、7限の日が多くなった。それだけ以前に比べると時間の確保が難しい。生徒の確保も難しい。
○ホッケーの例から言うと、スポ少は以前3・4年生から募集していたが、今は1・2年生から募集している。参加者が多くなっているような気がするが、実数は増えていない。スポ少から中・高につながっていないのが現状である。中学校部活動で初めてスポーツに出会う子も多いのではないか。総合型地域スポーツクラブがすすむと運動部は移行できていいが文化部はどうなるのか。
○総合型地域スポーツクラブができたからといって運動部がすべて移行されるわけではない。部活動は意義が認められておりなくならない。部活動の抱えている問題点を総合型地域スポーツクラブで連携し解決しようというものである。文化部も同様である。
○小学校下でスポ少が存在する種目がある。中学校校下で固まっていたほうがいいのではないか。また、子どものスポーツ環境を維持しようとすると親の協力が必要だ。
○ジュニアから高齢者まで、エンジョイ派からトップ選手までおり、それぞれに応じた多彩なメニューがあるというのがクラブではないか。福岡町ではスポ少、中学校部活、高校部活のリンクができていない。スポーツ団体の連携もなく、何か新しい物ができたというイメージである。これでいいのか。また、各スポーツ団体をつなぐ役目は、誰がするのか。
○「ふくの」の場合も最初から多彩なメニュー、多世代が可能だったのではない。当初エンジョイでスタートし、後から中学校、高校運動部活動を加えていった。つなぐ役目は、市町村によって体指、学校教員、体協役員などが考えられ、特に限定するものではない。城端中にはサッカー部がなく「アートサッカークラブ」で活動する小・中学生がいる。活動の様子や意識はどうか。
○地域の熱心な指導者の下で、スポ少や部活動に問題をきたさないようにうまく運営できている。
○部活動とジュニアの連携を取ろうとしているが難しい。スポ少を選んでしまうと、他に種目を選ぶ子はいなくなる。そうなると、ジュニア期からスタートする子だけがうまくなるので、その傾向がますますひどくなる。部活動やスポ少に対して用具や資金面での支援はできるが、それ意外に特別教室等を開催している。クラブ事業として今後の展開を考えている。
○現在、起こっている地域スポーツの問題点、今後起こりうる問題点等を解決することが総合型地域スポーツクラブ設立の意義であり、目的となる場合が多い。先生方の力を是非この事業に貸していただきたい。

全体会
  部会協議内容の項目発表・・・・上記発表を選抜し発表

総評・指導・助言
 「総合型地域スポーツクラブ育成による課題解決の方策」
     助言者 金沢大学教育学部助教授  佐川 哲也 氏

 今ほどの部会では熱のこもった協議が繰り広げられ、大変にそのエネルギーを感じております。
 今まではスポーツ少年団・学校・競技協会がそれぞれすみ分けをし、それぞれが分業分割されていた。また、日本でクラブと呼んでいたものは実際チームにしかすぎず、これからは競技のみではなくクラブライフとしたトータルな集合体であると考える。
 スポーツは、手段であるのか目的と考えるのか考えることも大切である。今まではスポーツを通しての教育が行われてきた。つまり「手段」として、しつけや団体行動・集団性などが教育されてきた。しかし、子ども達はスポーツ自体を楽しむことを求めており、大人との意識のずれがあることを理解すべきである。
 学校以外での社会教育の場もあるし、さらに公的教育以外で子ども達を育てられる重要な場として認識いただきたい。先生方には、まず主役は子ども達でありそれを取り巻く大人の一人としてスポーツに関わりスポーツ環境の整備を考えることが大切である。

終わりの挨拶
山森(広域)
 多くの先生方に参加いただき熱気のこもった討議がなされた、地域ごとの状況や取り組みの差があるが、それぞれの市町村の状況に応じたやり方で学校・地域・スポーツ団体が連携を大切にして総合型地域スポーツクラブの育成にご理解とご協力をいただきたい。

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