Q&A   平成16年7月11日(日)10:40〜12:10
       講義T「総合型地域スポーツクラブ育成の意義」
       講師:佐川 哲也 氏(金沢大学教育学部)

Q1.クラブの必要性、意義がよく分からない。バランスの取れたチームスポーツが推進されることでも十分な感じがする。
A1.クラブのメリットを一言で言うと、多様性を持つ集団と言うことである。チームの目標は限定的で、同時に多くの目標を持つことはできない。チームワークという言葉のイメージは、「自分を抑えてチームのために貢献する」である。チームでは、個人をスポーツに適応させることが要求されるが、クラブでは、スポーツを個人に適応することが可能となる。チームとクラブは集団の性質と目標が基本的に異なり、チームを改革すればバランスが保たれるというものではなく、チームという集団は常にバランスを失わせる方向を向いている。

Q2.漠然とした質問ですみませんが「運動」と「スポーツ」の違いはどんなことなのでしょうか?「スポーツ」の定義とは?語源は?もう一点、19Cに生まれた学校教育としてのスポーツは今も学習指導要領の中に態度面の項目として脈々と流れているのでありますが、今学校体育ではスポーツマンシップがどれほど重要視されているのでしょうか。もし、学校教育で身につかないものであれば、それを地域(クラブ)で学ばせていかなければいけないのではないでしょうか。
A2.運動とは、個人にとっての生理的な見方であり、スポーツとは文化的な見方である。スポーツは社会や時代によってその定義が変わるものであり、一言で説明することは困難である。「sports」は広く「楽しみ」を指す言葉であったが、19世紀以降の近代スポーツの発展に伴って、「身体活動」に限定する傾向を帯びてきた。しかし、英語の「sports」と日本語の「スポーツ」は異なっていて構わないし、実際にその理解は違っている。むしろ、自分たちにぴったり合った「スポーツ」を定義していけばよいと思う。
 我が国では、学校教育の中にスポーツを位置づける形で発展してきた。しかし、スポーツは学校教育の中には収まりきらないほどに発展し、その位置づけを変える必要に迫られている。
21世紀のスポーツは、文化や青少年教育の中に位置づけ直す必要があると私は考えている。その意味では、地域のスポーツクラブがスポーツを位置づける中核として期待される。この位置づけは、単にスポーツをする場所としてのみ位置づけられるのではなく、スポーツを文化としてどのように育てていくか、スポーツを通じて青少年をどのように育てていくかという大きな課題として理解されるべきである。皆様の地域での活躍に期待するところである。

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