ボート競技のすそ野拡大へ /県・協会 総合型地域クラブ発足 /教室開催他のスポーツも

平成14年2月18日(月):北日本新聞

 全国大会で上位に入る「お家芸」でありながら競技人口の減少に悩むボートのすそ野拡大を目指し、県ボート協会は17日、地域住民が幅広く楽しめる「総合型地域スポーツクラブ」を発足させた。エアロビクス講習など、ボート以外のスポーツも取り入れる。ヨットやホッケー競技では、他の総合型クラブ連携を図る動きも見られ、地域密着型の競技普及手段として浸透しつつある。

 競技団体が本格的に運営する県内初の総合型クラブで、名称は「JINZU SPORTS CLUB(ジンズー・スポーツ・クラブ)」。設立総会は同日、細入村岩稲の県漕艇場管理事務所で開かれた。クラブ関係者や八尾高、インテックの選手ら約六十人が参加。同協会副会長で、クラブ会長に選ばれた坂巻龍雄八尾高校長が「地域に根差すクラブに発展させたい」と意気込んだ。

 十四年度はボートの貸し出しをはじめ、児童や生徒を対象としたボート教室などの事業を予定。指導者養成に力を入れるほか、エアロビクスや栄養講習などボート以外の事業も行い、住民の多様なニーズに対応する。

 同協会によると、中学・高校のボート部員は、少子化で減少傾向。競技人口全体の減少も懸念されるため、学校など地域との連携を求める声が、とやま国体前後から協会内で上がっていた。植野聡理事長は「とやま国体までは勝利が最大の目標だったが、人の輪を大切にできる場を持ちたいと考えた」と話す。

 とやま国体終了後、県から競技団体への強化補助金が大幅に減った。同協会への十三年度補助金は、とやま国体が行われた十二年度に比べ、ほぼ半減。クラブは収入確保にも役立ち、今後はクラブ員の会費や教室参加料などが収入源となる。

 県内の他の競技団体も総合型クラブに熱い視線を注ぐ。県セーリング協会は昨秋、「海竜セーリングクラブ」を発足させた。一般の認知度が高いとはいえないヨットやウインドサーフィンを楽しんでもらうため、一般向け教室などを開催。新湊市が設立を進める総合型クラブと連携する見通しだ。とやま国体の開催会場を拠点にした同様の動きは、おやべのホッケーや黒部のバレーボールなどでも見られる。

 総合型クラブは県内各地で設立が相次いでいるが、行政主導のものが多く、ボート協会の試みは注目を集めている。

 高森勇県スポーツ課長は「地域を拠点にした活動は、次代の子どもの育成につながる。県内競技団体のモデルとなるのではないか」と期待を寄せた。

 

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