社説 /スポーツクラブ /地域定着へ県は支援を

平成14年2月25日(月):北日本新聞

 富山県内で総合型地域スポーツクラブの開設が相次いでいる。平成十年に福野町で「ふくのスポーツクラブができたのが最初で、これまでに小矢部市、立山町など五市町村で設立された。

 「行政主導から民間主体へ」との県の呼びかけで、今月十七日には、県ボート協会が練習拠点としている細入村でクラブを発足させ、富山市など十五市町村でも設立準備が進められている。

 生涯スポーツの普及を軸に、競技スポーツの振興や底辺拡大を目指すものまで各クラブの目的はさまざま。当初の会員数の規模など運営形態も多様だ。

 活動を活発化させるには、第一に各クラブの主体的な取り組みが求められるが、地域に定着するまでには課題も多く、指導者養成や情報提供など多くの側面から県の支援は絶対に欠かせない。

 総合型地域スポーツクラブを運営するのは原則として地域住民。複数の種目を用意し、子どもからお年寄りまでが年齢、興味・関心、技術・技能レベルに応じて参加できる形が理想だ。

 クラブ運営には、何よりもまず経営基盤を安定させておく必要がある。各クラブの主な収入源は会員が納める年会費である。財源が不十分なために、会員のニーズに合ったスポーツ教室やイベントが開けなくなっては元も子もない。

 そうならないためには各クラブで会員を増やす努力も必要だ。県はスポーツ振興くじ(toto)による助成制度の活用も勧めている。総合型地域スポーツクラブに対する助成率は高い。

 準備段階では市町村などが助成対象となり、設立後に女性を受けようとするときはクラブ自体が特定非営利活動法人(NPO)となる必要がある。NPOとなれば、企業などから寄付を受けた際に税の優遇措置も受けられる。

 県は、こうした制度の活用について設立準備を進めている団体などに的確に指導、助言すべきである。

 運営面でも、県総合体育センター内にある「広域スポーツセンター」などによる後押しが欲しい。

 同センターは、クラブマネージャーや指導者の育成・派遣のほか、クラブに関する相談、スポーツイベント情報の発信といった機能を持ち、NPO資格所得の助言などもする。県内地域スポーツ情報ネットワークの拠点である。

 全市町村に配置している派遣スポ−ツ主事や、国体で活躍した選手らによるスポーツ専門員の制度もさらに充実し、各クラブをサポートすべきだ。

 総合型地域スポーツクラブは、少子化時代の学校部活動と連携したり、企業チーム休部後の活動の受け皿となることも考えられる。そうした運営がうまくいくかどうかも今後の課題だ。

 県内の取り組み状況は、今は先進的で評価も高い。県は、一昨年のとやま国体に向けて施設整備や競技力向上をかなりテコ入れした。今度は総合型地域スポーツクラブを核として「地域スポーツモデル県」を目指してもらいたい。

 

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