負けるな自治体 自立と合併―22 /第3部 独り立ち目指して /スポーツ、祭り 町の核に

平成14年3月10日(日):北日本新聞

 福野町の「ふくのスポーツクラブ」は平成10年にできた総合型地域スポーツクラブ。町の人口の2割にあたる約3200人が会員となっており、全国のモデルといわれる。

 県内外から年間約900人が毎週のように視察に訪れ、説明に追われる大西清征会長は「住民の健康維持のシステムとして、多くの町で参考にしてもらえればいい」と話す。

 総合型クラブは、従来、競技ごとにばらばらに活動していたスポーツクラブを一括して管理し、指導者の派遣や活動場所の確保、大会の企画などを行う。ヨーロッパのクラブのような競技力向上機能を目指すとともに、だれでも参加できる生涯スポーツの拠点として、地域の核となり、個性を打ち出す場としても期待されている。

 だが、実際には、人口の大きな市では地域としてのまとまり意識に欠け、施設が確保できなかったり、既存団体との調整が付かないケースが多い。民間のスポーツクラブと競合する場合もあり、国が設置への誘導策を取っても、現実には、会員数の伸び悩みに苦しむクラブが多い。順調に会費を増やし続けるふくのスポーツクラブは全国的にも数少ない成功例とされるわけだ。

 しかし、砺波広域圏での合併論議が加速する中、会員の一部からは不安の声も漏れる。「市町村合併が進むと、クラブの将来はどうなるのか」

 大西会長は「クラブがなくなることはない」ときっぱり否定する。住民の健康を目指す目的に変わりはなく、住民が暮らす限り、発展はあっても消滅はないという考えだ。「そもそもクラブはみんなが出会い、集まる場所として生まれた。スポーツを核にしたコミュニティーづくりを前進させていく」と語る。

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 「昭和の大合併」では、役場との距離が遠くなってコミュニティーのまとまりがなくなり、地域が崩壊する例も多かった。多くの地域独自の行事や伝統芸能が廃れることになった一因とされる。

 2月に国の重要無形民俗文化財に指定された城端曳山祭の保存会長を務める河合常則県議は「住民と地域に根付いており、廃れることはありえない」と存続に自信をみせる。しかしその一方で、「自治体の公費支出が大きく、運営を官に頼ってきたイベントや祭りはどうなるだろうか」と不安を抱く。

 戦後生まれの比較的新しい祭りやイベントは、合併する際の市町村建設計画に継続方針が盛り込まれたり、支援基金が認められれば、存続される可能性もある。ただし、地域住民の間に根付いてないと、淘汰は避けられない。

 河合会長は「合併した場合、祭りや消防団、土地改良区などの存在が大切になる。町内会などがコミュニティーの核として果たす役割は大きくなるだろう」と指摘する。

 ふくのスポーツクラブは1月、NPO(民間非営利団体)法人格の取得を申請した。認められればスポーツ振興くじ(toto)の助成受ける道も開ける。設立以降、運営を福野町に頼ってきたが、大西会長は「行政におんぶするのではなく、これからは自立し、町の核として独り立ちしなければならない」と意欲をみせる。

 

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