社説 /すそ野を広げて活力を

平成13年11月29日(木):富山新聞

◎スポーツ振興

 石川県教委は、県民のスポーツ振興を図るため2003(平成15)年度から10年間かけて取り組む基本計画づくりに着手する。国のスポーツ振興基本計画に基づくもので、「生涯スポーツ、競技スポーツ、学校体育、施設」などに関する施策をまとめる。地域の人材と施設を活用して住民がスポーツに親しむ機会を増やし、競技力の向上とともに地域に活力を生む環境づくりを進めてもらいたい。

 国の基本計画は、生涯スポーツ社会の実現、国際競技力の向上、学校体育・スポーツの充実などを目指しており、石川県教委は、まず県内に在住する約2,500人を対象に意識調査を行い、それらを参考にしながら計画づくりを進める。

 生涯スポーツについては国の基本計画に総合型地域スポーツクラブの育成が盛り込まれている。今年度から「県新世紀スポーツプラン」を施行している富山県は、10年間をめどに同クラブの全県展開を図る。地域住民が主体的に運営し、複数の種目に幅広く参加できるもので、先進的な福野町の「ふくのスポーツクラブ」はNPO(民間非営利団体)法人化の準備を進めている。町の人口14,800人に対し、会員3,200人、年会費を払えば各種スポーツ教室を利用できる仕組みになっている。

 石川県でも輪島市と田鶴浜町が同様のスポーツクラブを目指して活動しているが、各自治体が地元の指導者や施設の実情に合わせながら、気軽にスポーツを楽しむことができる組織作りに取り組んでもらいたい。

 子どもたちの体力向上のためには、学校と地域の連携がさらに求められる。文部科学省の調査によれば、今の子どもたちは「走る」「投げる」などの基本的な運動能力が30年前に比べて、大幅にダウンしているという結果がでている。少子化によって部員や指導者が不足し、部活動に支障がでている。今後は学校同士の広域的な活動や地元のコーチによる指導、地域チームとの練習などが一層必要になってくるであろう。

 スポーツ人口のすそ野を広げ、一貫した指導や科学的なトレーニングを加味することで、全国、世界に通じるような選手が出てくることを期待したい。

 

 

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