社説 /合同部活動  少子化時代柔軟対応を

平成13年9月17日(月):北日本新聞

 生徒数の減少で部員数が足りないためにチーム編成ができないなど、学校部活動の衰退が心配される中、改善策として複数校による合同部活動の導入が富山県内でも具体化してきた。

 県教委はこのほど、近隣の学校が合同で練習できる態勢づくりについて、高校や市町村教委に通知。高岡市では2つの中学校がサッカーの合同チームをつくり、大会に出場することになった。

 スポーツを続けたいという生徒たちの希望をかなえるための方策として、合同部活動は可能な限り推進すべきである。さらに地域の実態などに応じた柔軟な取り組みを望みたい。

 学校部活動の縮小傾向は全国的なものであり、背景には急速に進む少子化があるのは言うまでもない。

 県内でも第2次ベビーブームの昭和63年に1万9千人近かった中学卒業者は、平成20年には1万人前後まで落ち込む。部員不足は一層深刻となり、生徒減に伴って教員定数が削減されれば部の顧問の配置も難しくなる。

 一昨年秋、県中体連が行った調査では、過去5年間に50校で78の運動部が休部もしくは廃部した。高校でも部の数自体は横ばいだったものの、所属する生徒の数は減り続けていた。

 こうした現状については県議会でも指摘され、県教委は対策を迫られていた。学校側も昨年から部活動のあり方について研究を始め、合同部活動の導入、さらには合同チームによる大会参加の可能性についても検討してきた。

 この二学期に合わせ県教委は合同部活動を推進することにし、県立高校長らに対し、指導、連絡体制、移動手段などについて学校間で協定を結び、届け出るよう通知した。当面は土、日曜や夏休みの合同練習を想定したしたものだ。

 部活動のあり方を見直すことと併せ、地域スポーツや県民の生涯スポーツの振興といった視点から学校体育の将来像を考えることも大切である。

 県内で「総合型地域スポーツクラブ」の設立が相次いでいる。そこで活動するインストラクターに合同部活動を指導してもらい、顧問不足の解消に役立てることなどが考えられる。とやま国体に向けて各地で整備された施設を活用すれば地域との連携は一層深まる。

 高岡市では、選手不足で困っていた志貴野中と南星中のサッカー部が夏休みに合同で練習し、地区新人選手権に合同チームで出場することになった。生徒たちの提案が県中体連の特別措置で認められ、両校の協力で実現した。

 中学、高校の競技会では主に学校対抗の形が取られており、今後は合同チームで県大会や全国大会にも出場の道が開けるかどうかが課題だ。

 少子社会では、学校部活動の活性化は避けて通れないテーマだが、合同部活動の導入の目的は強いチームをつくることではない。団体生活を通して友情をはぐくみ、人格形成のプロセスであるという原点を忘れてはならない。

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