勝負どこ スポーツ富山  /総合型クラブに期待  /県ボート協会理事長代行 有須 孝之さん

平成15年3月3日(月):富山新聞

 昨年10月、インテックボート部が休部を決めた。長年、「ボート王国・富山」のけん引役を果たしてきた名門だけに関係者の衝撃は大きい。しかし、「企業がチームを丸抱えする時代は終わった。今後は地域でチームを作り、支えていく仕組みが必要」と、新たに発足した総合型地域スポーツクラブに期待を込める。

 富山県内のボート競技界は頂点に社会人はインテック、学生は富山国際大を据え、八尾高と大沢野工高が高校のトップ選手を育てる体制で高い競技力を維持してきた。艇庫を備えた県漕艇場など練習環境は恵まれているが、選手層は薄く、全国大会に出場する陣容は常に少数精鋭である。高校の指導者は部員の練習の合間に中学校に出向き、他競技からの人事掘り起こしに努めてきた実情がある。

 「2000年とやま国体後、いきなり弱くなったといわれたくない」という意地から地元国体後も結果を出してきた。しかし、指導者と選手の人材不足は解消されない。県ボート協会は現役を引退した社会人選手を生かし、ジュニアからの一貫指導が可能な体制のあり方を模索してきた。

 指導者の増加、競技力向上の新たな切り札として期待を寄せるのが、昨年2月に発足した総合型地域スポーツクラブ「JINZU SPORTS CLUB」である。企業や高校のトップ選手から小、中学生まで幅広く加入し、地域が一体となってスポーツに取り組んでいくシステムとなっている。競技のレベルアップを主な目的として発足したのが、インテックの元部員が協力し、県内のジュニア選手も加わった。高校の指導者は学校部活動に頼らぬ充実した指導ができると期待を込めている。
 八尾高ボート部監督としてこれまで15種目で全国優勝した実績がある。総合型地域スポーツクラブでは部員たちに大舞台で勝利する喜びと自然の中でボートをこぐ楽しさの両方を伝える。

 

ありす・たかゆき 県ボート協会理事長代行、八尾高ボート部監督 富山県細入村出身。昭和56年、富大教育学部卒。平成4年から八尾高ボート部監督を務め、これまで15種目で全国優勝に導いた。同市掛尾町。44歳。

 

 

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