談論自由席 /危機的な体力低下  /富山県体育協会専務理事 大代 忠男

平成14年6月14日(金):北日本新聞

 この4月から週に1回、大学で保健体育の講義をすることを機に、大学生を対象に体力と食事、睡眠などの生活実態について調査した。

 調査結果から、体力は総じて低く、健康的な生活習慣も身についていないという印象をもった。

 このことは、文部科学省が毎年行っている「体力・運動能力調査」結果からも明らかであり、昭和60年ごろをピークに、現在まで子どもの体力、運動能力は低下の一途をたどっている。

 今後、このような傾向が進むなら、将来的には国民全体の体力低下につながり、社会全体の活力が失われるのではないかと危ぐされる。

 こうした子どもの体力低下は、生活様式の変化などから体を動かすことが少なくなったことはもとより、スポーツに親しんだり、戸外で仲間と遊ぶ機会の減少や生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が絡み合って生じているものと考えられる。

 体力は元来、人間が生活するための源であり、健康保持とともに、人間としてより活動をしていく上で必要不可欠なものである。

 しかも体力は、体を動かすことによってのみ能力を伸ばすことができるものであり、国語や数学を勉強し若い頭脳を磨くことと同様、日常的な運動によって若い体を鍛錬することが必要である

 「知・徳・体」のバランスを保つためにも、完全学校週5日制が実施された今こそ「人間が頭脳を働かせ、知性を磨くことができるのは、心身がともに健康であるとき」を改めて認識するべきだ。こどものころから運動習慣と望ましい生活習慣を定着させるために、学校、地域、家庭が連携、協力し実践すべきと考える。(新湊市三日曽根) 

 

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