市民の参加意識高揚 /W杯富山キャンプの成果と課題

平成14年8月7日(水):北日本新聞

 ワールドカップサッカークロアチア代表の富山キャンプの富山市などの実行委が、収支決算を終えて解散した。剰余金でテストマッチの赤字の一部を補てんした会計処理について「”流用”ではないか」との指摘はあったものの、実行委は「大勢の市民にW杯への参加意識を高め、スポーツ振興に役立った」と強調する。今後、市はキャンプ成果をスポーツ振興や交流にどう生かすかが課題となる。


◎スポーツ振興に一役  求められる国際交流継続

 キャンプは今年5月から6月にかけ、富山市で行われた。期間の前後を通じ、市内の幼稚園、小中学校の学校給食にクロアチア料理が取り入れられ、クロアチアに関する学習が行われるなど、国際理解に向けた取り組みが展開された。 
 クロアチア代表の公開練習では、少年サッカーチームのメンバーがボールボーイを務め、世界レベルのプレーを目の当たりにしたほか、選手が指導者となってサッカー教室も開かれた。
 運営などでボランティア200人以上が参加。市内各地で選手やスタッフ、海外マスコミとの交流シーンが見られた。実効委は「次代を担う子供たちに大きな夢と感動を与え、国内外に『トヤマ』がアピールできた」と強調する。


◎公金支出に当たらず

 実行委は6日の総会で、剰余金のうち400万円をクロアチア代表対富山ドリームスのテストマッチの赤字に補てんすることを決めた。
 実行委会長を務める森富山市長は、キャンプ期間中から「テストマッチへのさらなる公金投入はあり得ない」と言明。総会後、報道陣から「公金を含む運営費の流用ではないか」と指摘を受けたのに対し、「募金部分の剰余金を充てた形で、公金の支出には当たらない」と答えた。
 竹内康則実行委事務局長は「募金した企業や個人の方々には、広くサッカー振興に寄与したいという点で賛同が得られると思う」と説明する。


◎市民交流を検討

 県サッカー協会の伊藤富雄副会長は「スポーツ文化はいま、危機にひんしている」と指摘する。少子化で、スポーツ人口の減少が避けられないためだ。サッカーに限っても、県内の少年チームはこの4年間で111から80に減ったという。伊藤副会長は「これから子供も指導者も減っていく」と危機感を募らせ「今回W杯にかかわったことは、形にならない大きな収穫だった」とみる。
 キャンプ中、クロアチア側が富山市と姉妹提携を申し出、市は市民レベルの交流継続を検討している。
 キャンプの成果を形に残すために、市全体のスポーツ振興や国際交流を進め、広がりを持たせることが求められる。

 

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