社説 子どもの体力 向上策、市民に浸透を

                                                     平成15年6月19日(木):北日本新聞

 砺波市の体力づくり検討委員会が、子どもの体力向上策をまとめた。子どもたちの体力低下が言われて久しいが、学校だけに体力向上の役割を押し付けず、学校と家庭、地域が連携し、社会全体で取り組む必要がある。この観点で方策をまとめ、提言したところに意義がある。できるものから実行に移してもらいたい。

 砺波市教育委員会が検討委員会を設けたのは、創造性豊で、人間性の富んだ人材を育てるためには、将来を担う子どもの体力向上が緊急の課題であると考えたからだ。4月から4回の会合を開き、提言がまとめられた。委員は体育教諭、スポーツ指導者、栄養士、スポーツドクターなどで10人でスタートしたが、幼児からの取り組みが必要だとして、幼稚園教諭、保育士も加わった。

 市内の小学生は全国の傾向と同様、体力の低下と肥満の増加が見られ、中学生で県平均に近づく。中学生は運動部に加入している生徒がおよそ8割いるからだと、市教委は分析している。実際に、女子の運動部の種目が少ない中学校では、他校の生徒と比較して体力低下が数字となって表れている。小学生はスポーツ少年団に加入して運動をして運動をしている子どもとしていない子どもの体力の差が広がり、二極化が進んでいる。

 提言書ではまず、体力低下の現状を親が認識、親子の触れ合いを通じていろいろな取り組みを行ってもらうことを挙げた。食事の大切さを学ぶなど、正しい生活習慣を身に付けることの重要性も指摘している。具体的には講習会やシンポジウムの開催、幼稚園・保育所への体育専門教諭の派遣、指導者の養成、砺波市版「親子健康体操」の作成、健康ノートの作成、栄養教室の開催など17項目を示した。例えば「スポーツの日」の設定という項目では「毎月1回、各地区の体育館、夜間照明施設などを開放し、スポーツや野外活動に親しんでもらう」などと細かい内容を明記している。

 肥満児を10年間で半減させる、すべての児童、生徒が朝食をとり、欠食率をゼロにするといった数値目標も掲げた。

 提言を生かすためにはまず、その内容を広く市民に浸透させなければならない。小さいころから体を動かすのが楽しいと思わせる環境づくりを求めたい。

 

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