スクープ真相深層 県内 拡大する総合型地域スポーツクラブ 全県展開 新年度に達成
                                                   平成17年3月20日(日)北日本新聞

 生涯スポーツ社会の実現を目標に、県が推し進めてきた「県新世紀スポーツプラン」。その中核となるのが総合型地域スポーツクラブの全県展開だ。2000年とやま国体を機に、クラブは順調に数を増やし、経伊勢17年度中には全27市町村(旧35市町村)で設立される。ただ、財政基盤の安定やスタッフの育成など、課題への取り組みはこれからが本番。県民一人ひとりに豊かなスポーツライフは到来するのか、現状を探る。

 平成17年3月末時点で、県内の総合型地域スポーツクラブは22市町村で計39、会員数は約2万7千人となる。南砺市だけですでに7クラブ、立山町でも3クラブあり、各地区に根ざした形で活動しているのが特徴だ。来年2月までにさらに8つのクラブが誕生する。
 総合型地域スポーツクラブ育成事業の柱となってきたのが、「人的支援」「ノウハウ支援」「財政支援」からなる県の協力な支援体制だ。
 県は派遣スポーツ主事や派遣スポーツ専門員ら人材を各市町村に投入し、クラブの設立の推進役にしてきた。また、2000年とやま国体後、記念基金をつくり、クラブ立ち上げから最長5年間、助成金を支給してき。そのかいあって当初、平成20年度をめどに予定していた全県展開が、大幅に前倒しされた。伊東与二県教委スポーツ課生涯スポーツ係長は「全市町村でのクラブ設立は全国で初めて。これまでの施策が実を結んだ」と胸を張る。

 各クラブが提供するサービスは多様化している。八尾町の「やつおスポーツクラブ」は、未就学児や小学3年生以下の児童を対象にした活動に力を入れ、幅広い年代にスポーツの場を提供している。ヨットや新体操の教室を持つ「新湊カモンスポーツクラブ」のように、地域でさかんな競技を取り入れ、クラブの目玉にしているところも多い。
 一方、競技力向上に重点を置く砺波市の「SEIBUスポーツクラブ」は、全国レベルで活躍する選手を育てるチャンピオンコースを設けている。
 氷見市で来年2月にスタートする「ふれんず(仮称)」も競技志向が強い。活動拠点となるふれあいスポーツセンターの西田由起夫体育指導員は「上達によっては会員を競技団体に登録することも考えている」と話す。同じ氷見市の「スポーツプラザひみ」が、住民の健康増進を目的とするのとは対象的だ。このように生涯スポーツと競技スポーツのいずれかに比重を置くことで、独自色を打ち出すクラブも出てきた。

 今後、会員獲得でクラブ間の競争激化が予想され、サービスに対する利用者の目も厳しくなる。県は、「ライバルでなく、互いにないものを補い合う共存関係であってほしい」と期待する。

 

県「自主運営」目指す マネジャー養成 財源確保へ指導
 全国に先駆けて達成した総合型地域スポーツクラブの全国展開だが、あくまでも生涯スポーツ社会実現の第一歩でしかない。県はクラブの「自主運営」を次の目標に掲げ、人的、経済的な自立を目指す。
 背景には県の厳しい財政事情がある。各市町村でスポーツ行政の中心的役割を担ってきた派遣スポーツ主事、派遣スポーツ専門員は将来的には削減されるのは確実。国体記念基金のの助成金も潤沢とは言い難い。

 加えて、総合型地域スポーツクラブ推進の財源として期待された、サッカーくじ(toto)が極度の売り上げ不振に陥っている。本年度、県関係分の助成金は前年より4千500万円減の3千340万円。平成17年度はさらに減る恐れがある。行政支援が可能なうちに各クラブに”独り立ち”してもらいたいのが本音だ。

 現在、県は「クラブマネジャー」の養成に力を注ぐ。計63時間の講習会を開き、独自の終了証も発行している。マネジャーは、事業の企画から会員の募集まで実務のすべてを取り仕切る組織のかなめ。伊東与二県教委スポーツ課生涯スポーツ係長は「マネジャーの能力がクラブ運営を左右する」とまで言い切る。
 また、民間団体の助成金のあっせんや申請方法の指導も積極的に行っている。財政確保のノウハウを身に付けてもらうのが狙いだ。

ニュースポーツ 気軽さ受け参加者急増
 スポーツ人口のすそ野を広げる点で、大きな役割を果たしているのがニュースポーツ。勝ち負けにこだわらず、誰もが気軽に、安全に参加できることが魅力の生涯スポーツだ。
 パークゴルフやビーチボールなど、既存のスポーツをアレンジしたものが多いが、キンボールやペタンクなど全く独自のルールを持つものもある。週末ともなれば必ずイベントが開かれ、世代間交流にも大きな役割を果たしている。
 県パークゴルフ協会連合会の加入者は、平成6年度の約400人から、10年間で6倍以上の約2千500人に増えた。キンボールなどに取り組む県レクリエーション協会も同様の伸びを見せている。県生涯スポーツ協議会に加盟する団体は着実に増えており、基盤が固まってきている。

 5月28、29の両日には、毎年恒例となった「県民スポーツ・レクリエーション大会」が氷見市を中心に行われる。さらに平成22年には、富山で初となる「全国スポレク祭」開かれる予定で、県内のニュースポーツ人気はさらに過熱する勢いだ。
 全国大会開催にあたっては課題もある。種目ごとに差はあるものの、審判などの”世話役”が不足している団体が多い。全国から集まってくる団体の受け皿不足を指摘する声もあるという。
 さらに今後は、積極的にイベントなどを開くと同時に、インターネットのホームページなどで魅力を発信していくことも欠かせない。県生涯スポーツ協議会に加盟している32団体のうち、ホームページが同協議会とリンクしているのはわずかに5団体。協議会ではホームページづくりの講習会などを開いている。ただ高齢者にはなかなか浸透しない実情もあり、ニュースポーツ団体のネットワークらんは「誰でもいつでもどのような種目でも」を目標にしており、ニュースポーツはまさにその柱になる。石黒昇同協議会事業部長は「高齢者が進むこれからの人生を楽しく生きるには、ニュースポーツは欠かせない。県民そろって参加してほしい」としている。 

魚津市の場合・・・地区単位で活動活発 全住民加入、「チャンバラ」も
 魚津市には3つの総合型スポーツクラブがある。将来的には、市内に2つある中学校区単位のクラブに発展させたい考えだ。
 大町スポーツクラブ(保要孝三会長)は平成12年5月設立で、大町小学校の児童を中心にユニホックに力を入れる。毎年開く交流大会には、児童や大人が数100人単位で参加する。
 翌年設立の天神文化スポーツクラブ(大野博行会長)は、同市天神地区の住民すべてが会員となっているのが大きな特徴だ。スポーツチャンバラをメーンに活動し、公民館祭などの文化活動も行っている。
 このほか、加積、上野方地区で設立を目指して活動が続けられているほか、新年度は本江地区でも始まる。

 こうした地区単位クラブとの相互補完を図り、全市的な生涯スポーツ実現を推進しょうと昨年発足したのが、うおづ総体スポーツクラブ(大谷清雅会長)だ。市体育協会が主体となり、約30の多彩な講座を提供。競技力向上、一貫指導態勢を充実させ、トップアスリートの輩出も目指している。中学校の部活動支援などにも力を入れる方針だ。

 市教委の沢田スポーツ課長は「クラブ設立・運営の手引を作り、各地区を回ることにしている。各地区の機運を盛り上げ、誰もが気軽にスポーツに親しめる環境づくりを今後も進めたい」としている。

 

39クラブ 会員2万7000人
県内のスポーツクラブ

設立済み(22市町村 39クラブ 会員数26、911人)
富山市   ひがしスポーツクラブ                      宇奈月町  宇奈月スポーツクラブWill           
        NPOスクエア富山                             八尾町    やつおスポーツクラブ                      
               NPO富山スイミングクラブ         婦中町    ふちゅうスポーツクラブ                    
         パレススポーツクラブ            細入村     NPO JINZU SPORTS CLUB
高岡市   AQUOS万葉スポーツク          小杉町     こすぎ総合スポーツクラブ
        スポーツクラブ よこよこ                     南砺市   
        スポーツクラブ こぶし            (城端町)  クラブJoy
新湊市   新湊カモンスポーツクラブ           (井波町)  井波文化・スポーツクラブ・アイウェーブ        
魚津市   大町スポーツクラブ              (福野町)  NPOふくのスポーツクラブ
        天神文化スポーツクラブ           (福光町)  福光スポーツクラブ
        うおづ総体スポーツクラブ          (平村)        たいらスポーツクラブ   
滑川市   なめりCANクラブ               (井口)       いのくちスポーツクラブ
黒部市   KUROBEスポーツファミリー        (利賀村)    利賀スポーツクラブ
砺波市   SEIBUスポーツクラブ            福岡町        遊・Uクラブ
(庄川町)  庄川スポーツクラブアユーズ        大門町    だいもんスポーツクラブ
小矢部市   おやべスポーツクラブ            氷見市    スポーツプラザひみ
上市町   上市総合スポーツクラブ さんさん     大沢野町  おおさわのスポーツクラブ
立山町   スポーツオアシス ゆうゆう           山田村    やまだスポーツクラブ
       Rビレッジ                    大山町    おおやまスポーツクラブ
       スポーツFunたてやま

17年度中に設立(クラブ名はすべて仮称)
朝日町   ひすいスポーツクラブ             氷見市    ふれんず
下村    しもむらスポーツクラブ            南砺市     
大島町   おおしまスポーツクラブ                         (上平村)    五箇山スポーツクラブ
舟橋村   ふなはしスポーツクラブ            富山市    富山市総合体育館スポーツクラブ
入善町   入善町総合スポーツクラブ                                
 

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