サッカーくじ 営業努力の欠如が招いた低迷

                                                      平成17年1月10日(月):読売新聞

 サッカーくじが極度の売り上げ低迷にあえいでいる。

 文部科学省所管の独立行政法人・日本スポーツ振興センターは再年度から、りそな銀行への業務委託をやめて直営化し、立て直しを図る。

 事態の打開には、民間からの人材登用や企業の協力、くじの魅力や買いやすさを増す工夫が必要だ。それには、文科省の天下りOBや出向者が幹部を占める、お役所体質からの脱却が不可欠だ。

 サッカーくじは文科省所管のスポーツ振興投票法に基づいて2001年に導入された。だが、元々の制度設計が大甘だった。第1は年間1800億円としていた過大な売り上げ見込みだ。導入時こそ642億円だったが、昨年度は198億円に激減し、今年度はさらに下回る。

 りそな銀行との契約内容も問題があった。売り上げ多寡に関係なく、歩合のほか、固定費など163億円の委託料が毎年、支払われる。これでは、売り上げ増への営業努力など期待できない。

 くじ導入の目的は、生涯スポーツの普及や競技スポーツの向上のための助成だった。だが、助成金は、当初の約70億円から、来年度は2億円に落ち込む見通しだ。国や自治体に多くを期待できない中、代わりの財源は見当たらない。

 五輪強化指定選手の強化費が一時、停止し、グラウンドの芝生化への助成も出来なくなるなど、日本のスポーツ環境の充実にも大きな障害となっている。

 売り上げ不振の原因は、投票法や省令による、がんじがらめの規制にある。

 射幸心をあおらないようにと、当選確率は宝くじ並みの100万分の1以下に抑えている。13試合もの結果を予想するため、当たりにくい。19歳未満の購入を防ぐための対面販売と、試合前日までしか買えないことも不評だ。

 中央教育審議会は先に改善策をまとめている。当選確率の高いくじの販売を可能にすることや、販売期間を試合開始2時間前などに延長し、販売店に行かなくても購入できるようにすることだ。

 宝くじはあたりやすい数字くじの導入で購入者を増やした。競馬はインターネットや携帯電話からでも購入できる。投票法の見直し時期を今年11月に迎えるのを、購入者の視点に立って、投票法や省令を見直してはどうか。

 スポーツ界の支えも必要だ。各競技団体は役員や選手、ファンへのPRなど販売促進の協力体制を作る必要がある。

 サッカー先進国の欧州では、くじが根づいている。発足時の理念に立って、早急に抜本的な改革に取り組むべきだ。

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