女性スポーツ白書2004  広がる「総合型クラブ」  種目、レベルも多様

                                                       平成16年8月4日(水):読売新聞

 千葉県習志野市秋津公園多目的広場は、土曜の午後になると、サッカーに興じる女性たちでいっぱいになる。幼稚園児から中高年まで、この日は80人ほどが集まった。「習志野ベイサイドスポーツクラブ(NBS)」(島村清一会長)のメンバーたちだ。

 その中に、今年中学生になった一ノ宮桂さん(12)がいた。小学生の時は男子と一緒にフットサル大会に出場していたサッカー好きだが、進学した女子高にはサッカー部がなかった。「バスケット部などほかの部活動も考えたけど、土曜はここでサッカーをすることにしました」と話す。

 NBSは、2001年に発足。会員約600人のうち、約7割を女性が占める。テニスやバレーボール、剣道からヨガまで16種類も活動があり、会員は興味のあるものにいくつでも参加できる。

 こうした団体は「総合型地域スポーツクラブ」と呼ばれる。文部科学省によると、昨年7月現在、558市区町村で833クラブ(設立準備中も含む)が活動している。従来のスポーツクラブは、野球、テニスなど種目ごとに、年代、男女別に作られることが多かったが、「総合型クラブ」は種目や技術レベルが多様で、選択の幅が広いのが特徴だ。

 スポーツとジェンダーの問題に詳しい京都教育大学の井谷恵子教授は、「少子化の影響で、中学・高校のスポーツ種目は減少気味。女子ならばバレーボールといった決まりきった種目しか選べない。今の子どもたちが本当にやりたい種目が無いことも多いようです。多様性を持った地域のクラブが、性別や年代の枠を超えてスポーツを楽しめる受け皿になればいい」と話す。

 運営や指導に女性が積極的にかかわっていることも「総合型くらぶ」の特徴だ。

 福島県原町市の「太田大甕スポーツクラブ」(西祥一会長)では、体育指導委員として長く活躍してきた米津とき子さん(54)が事務局を担当している。

 会計のためパソコンを一から覚えた米津さんは、「女性ならではの地域ネットワークがクラブの運営にも役立ってます。ただ、最近は女性たちも仕事を持っているのでなかなか活動のための時間が取れなくなりました。長い目で見た人材育成が大切」と考えている。

 アテネ五輪では、初の五輪出場を果たしたホッケーやサッカーなどの女子種目が注目を集めそうだ。以前は女性の参加機会が限られていたこうした種目の門戸は近年、大きく広がった。地域スポーツ活動も、競技人口をファンを増やし、選手層を厚くする役割を担ってきた。今後も「私もやってもたい」という多くの女性たちの声が、五輪への道につなっがっていくだろう。

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