子供の体力 培う 8  教育ルネサンスNo.184
                                                     平成17年10月21日(金)読売新聞

 クラブで克服 苦手意識
 

スポーツの苦手な子供も楽しめるクラブが次々と誕生している。

 テニスコートを走り回る小学5年生の林亜希ちゃん(11)は、息を切らしてサーブやボレーの練習をこなしていた。その間、約2時間。隣のコートでは、父親の晃さん(44)が、4年生の長男拓也君(10)、2年生の2女由香ちゃん(7)と、こちらはのんびりボールの打ち合いを楽しんでいる。

 先月27日夜、福島県双葉町にある双葉総合公園であったソフトテニスの練習。同じテニスでも異なる取り組みだが、一家は皆、総合型地域スポーツクラブ「双葉ふれあいクラブ」の会員。違うのは、亜希ちゃんがクラブの「スクール」に、残りの家族が「サークル」に所属する点だ。

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 スクールは競技会に出場を希望する小中学生が対象で、野球やサッカーなど9種目。サークルは軽登山やボウリングなど、子供から大人まで参加できる21種目がある。
 亜希ちゃんは2年前から週3回、スクールで練習を続ける。卓也君は「あまりスポーツは好きじゃない」というが、晃さんから「運動不足だろ。一緒にやらないか」と誘われ、週1回のサークルでラケットを握るようになった。
 地域のスポーツクラブはこれまで、種目ごと年齢ごとに設立されることが多かった。双葉町でも7種目のスポーツ少年団が個別に活動していたが、2000年4月、全部がまとまって「双葉ふれあいくらぶ」を設立した。
 クラブのゼネラルマネジャーを務める佐々木清一さん(57)が、その理由を説明する。「少子化の影響もあって、どのスポーツ少年団も団員数が伸び悩んだうえ、運動に苦手意識を持つ子供も増えたため、大人も含めて幅広い選択肢を提供しようと考えました」

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  同じ「総合型」でも、昨年4月にできた富山市の「やつおスポーツクラブ」は、子供たちが遊び感覚で楽しめる活動が中心だ。幼児や小学生を対象に毎週1回開く「教室」では、かごを背負って逃げる指導員を追いかけてボールを放り込む「玉入れ」や、平均台を横向きに歩く「カニさん歩き」など、多彩なメニューをそろえた。
 クラブマネジャーの池田薫さん(26)は「スポーツ少年団などに入らず、運動する機会が少ない子供たちの体力の底上げを図ることが、このクラブの目的です」と」話す。
 それでも子供たちから「もっと練習して試合にでたい」という声があがったこともあって、テニスや陸上など4種目の「ジュニアクラブ」を教室とは別に創設した。

 クラブの運営方式は違っていても、子供のスポーツ離れを防ぎたい気持ちは同じ。各地でさまざまな模索が始まっている。
                                                      (梅沢清二)

≪総合型地域スポーツクラブ≫
 子供から高齢者まで、レベルに応じて、様々なスポーツが楽しめる地域拠点で、住民が主体的に運営する。今年7月現在の数は全国で2155となり、2003年の833から大幅に増えた。文部科学省は2010年度までに、各市町村に少なくとも1か所という目標を掲げ、設立費用の一部助成などの支援事業を行っている。指導者派遣など独自の支援をする自治体も多い。

 

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