あしたのかたち57 スポーツ21世紀 改定スポーツ振興基本計画C
                                                      平成18年11月11日(土)毎日新聞

NTC 重い経費負担

 財政支援なき計画は、スポーツ界の長年の悲願をも揺るがしている。日本オリンピック委員会(JOC)が先月26日の理事会で公表したナショナルトレーニングセンター(NTC)の経費概算で、スポーツ界に重い負担がかかることにが明らかになったからだ。
 それによると、年間運営費の総額は約19億4800万円。施設利用料、宿泊費、食費込みで3分の1に当たる約8億300万円がJOCと競技団体の負担分だ。国庫補助を差し引いても、JOCが約1億4800万円、競技団体が全体で約2億1100万円を負担する見通し。福田富昭・選手強化本部長(NTC設置委員長)は「毎年負担するのは厳しい。施設があっても有効活用できず強化に生かせない」と話した。日本はアテネ五輪で史上最多のメダル37個を獲得したが、「一過性のものになるかも」との懸念が広がっている。

 NTCは、00年9月に策定されたスポーツ振興基本計画に掲げられた国際競技力向上の柱の一つだ。医科学研究で支援する国立スポーツ科学センター(JISS、東京都北区)の隣接地に総事業費340億円をかけ、07年12月にオープンする強化の中核拠点で、柔道、体操などの屋内施設のほか、屋根付き400メートルトラックの屋外施設、宿泊施設も併設する。
 これまでは企業や大学の施設を間借りすることが多く、五輪で不本意な成績に終わる度に「NTCがあれば」と悔やんだJOCと各競技団体には待ちに待った施設。だが、欧州などの先進例にならい、無料か、低額の負担を期待した使用料の現実は厳しい状況だ。

 NTCを活用した独自のマーケティングを導入して財源確保を図り、各競技団体の負担分を補う方針も掲げる。だが、竹田恒和会長は「限度がある。省庁間を越えた国策として支援してほしい」と話す。強化のための器は大きくなる。だが、このままでは宝の持ち腐れになりかねない。

 

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