あしたのかたち60 スポーツ21世紀 改定スポーツ振興基本計画F
                                                                                                                            平成18年12月2日(土)毎日新聞

 東京都足立区で地域の事情に即した総合型地域スポーツクラブが育っている。現在、区内のクラブは5。08年までに8クラブ、将来的には25地区町連単位に1ヵ所の設立を目指す。スポーツ振興基本計画で「2010年までに全国の各市町村で少なくとも一つ」と掲げた目標を上回る。区生涯学習振興公社地域クラブ推進課の小故島睦光課長補佐が「地域の創意工夫を生かしている」と話す通り、住民のニーズに応じたクラブがそれぞれに根を広げている。

 今年2月、西側地区に設立された「千住ウェスト」では、「コミュニティキャンパス構想」が進む。子どもたちにスポーツだけでなく、学習の機会も提供するものだ。陰惨な少年事件やいじめが深刻化して、子どもの居場所が作りや多世代の交流など地域の教育力が見直されている時代に即した構想でもある。
 これは行政と住民の2つの流れが自然に近づいて実現した。一つ目が小学校の統廃合。昨年4月に2校が統合して千寿双葉小が設立された。ちょうど学区内の児童館も老朽化のため閉鎖することになった。そこで足立区は小学校に児童館の機能も組み入れることで学校を開放して、地域との連携を考えた。
 一方、住民側は区青少年委員の北島一弘さんらが中心となって、学校週5日制に対応するため02年から「サタデースクール」を実施していた。その枠組みがNPO法人「千住ウェスト」に発展した。サッカー、柔道などのスポーツ教室に加え、 茶道教室の文化活動もある。来年度は「放課後子ども教室(仮称)」で年間240時間」実施する方針。クラブ名から「スポーツ」を外している。ゼネラルマネジャーの北島さんは「この地域だからこその新しい総合型ができる」と強調する。

 行政が提供したい施設とクラブ側のソフトが合流すれば、構想は実現する。ただ、クラブは教育委員会、児童館は区民部と管轄が分かれ、縦割りの壁があるのも現実だ。北島さんは「地域や子どもと、お年寄りのため、という、理念は一致している」と話す。長年の慣習を乗り越えることができれば、大きな試みが実現する。

 

戻る