スポーツの輪 ・・3
                                                     平成18年10月13日(金)読売新聞

 旅行者目当て競技会  観光地のクラブ、安定運営図る

 長野県軽井沢町で9月16〜18日、カーリングの初心者向け大会と体験イベントが開かれた。
 今年2月のトリノ冬季五輪以来の人気もあって、大会には、同県のほか東京や埼玉、宮城からもチームが参加。募集した9チームがすべて埋まり、家族単位や個人の参加者同士など、チーム構成も多彩だった。また、体験イベントにも、東京などから24人が集まった。
 主催したのは地元の総合型地域スポーツクラブ「スポーツコミュニティー軽井沢クラブ」。上級者の大会も開かれ、選手の着実なプレーに見入る初心者の姿も目立った。
 初心者大会に仲間と4人で参加した東京都内の女性会社員(27)は「専用のカーリング場でプレーできたのが収穫。上級者のプレーも参考になったし、旅行気分も味わえた」と話す。
 総合型クラブは地域の住民が主体的に運営し、利用するのも住民というのが基本。だが、観光地や行楽地という地域の特性を生かし、地域外から利用者を呼び込んだ大会や教室を開く動きも出てきた。いわば、スポーツに参加したり、観戦したりするための旅行、「スポーツ・ツーリズム」の考え方を取り入れたクラブ作りだ。
 早稲田大学スポーツビジネス研究所の間野義之研究員(スポーツ政策論)は「地方では人口が少ないため、利用者を確保しにくく、安定的なクラブ運営が難しいところもある。一方、都市部ではスポーツ施設の利用者が多すぎて楽しめないと考える人も多い。こうした人を地方のクラブが取り込めば、ともにメリットになる」と話す。
 軽井沢町も人口1万8600人ほどと少ない。そこで、観光地でもあり、さらに別荘や宿泊施設も多いという地域特性を生かすことで、安定的な運営に結びつけようとしている。今年度は、カーリングのほか、犬と飼い主が競技するドックスポーツを、集客事業の中心に据えた。
 小崎陽一郎専務理事は「この2種目の盛んな場所というイメージが出来上がっていけば、リピーターも増え、地元住民との交流も深まっていくはず」と話す。地元では、ここ数年はホテルなどでの長期滞在者が減っており、地域の活性化への期待も高まる。
 同様の取り組みは福島県二本松市の岳温泉でも始まった。来年3月までに設立予定の総合型クラブが、ウオーキングやスノーシュー(西洋かんじき)の教室で、県内外から広く参加者を募る計画だ。
 設立準備の事務局長を務める観光協会の鈴木安一会長は「多くの参加者に温泉も利用してもらって、さらに健康増進にもつながっていけば、総合型クラブの魅力も増す」と話す。


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