社説 県全体の底上げも大事
                                                     平成18年8月18日(金)北日本新聞

選手育成

 大阪府など近畿を中心に開かれた全国高校総体は、水泳など1部の競技を残し、ほぼ日程を終えた。県勢はフェンシング男子の竹島賢選手(富山西)がエペで2連覇を果たした。柔道団体では小杉が女子で初優勝し、男子も過去最高タイの2位と健闘、個人では女子78キロ超級の田知本愛選手(小杉)が初優勝、同70キロ級で田知本遥選手(同)が準優勝した。ハンドボール女子は高岡向陵が準優勝に輝いた。
 これらの競技は総体ほか国体など数々の全国大会で好成績を収めてきた。小中学校時代から高校にかけて、競技団体が継続性のある指導を行い、成功している例と言えよう。選手の競技力強化だけでなく、メンタル面などの指導や支援も実らせた。

 一方、今大会はかつてお家芸と呼ばれた競技の不審もあった。全国トップの実力を誇ったボートは1種目も決勝に進めず、ホッケーも振るわなかった。昨年、好成績を収めたバドミントンは女子団体の8強入りが最高。サッカー、バスケットボール、バレーボールなどのチームスポーツも良い成績を残せなかった。  
 近年の傾向では、活躍した次の年に低迷する競技があり、選手層の薄さが指摘されている。現在、好成績を収めている競技も1部の優秀な選手の才能に負うところがある。

 2000年とやま国体以降、きびしい財政状況にを理由に、選手強化・育成費が削られ、県体協の競技力は低落傾向にあった。この状況に歯止めを掛けようと、県は次世代を担う選手育成に本腰を入れ始めている。
 経験豊富な指導者を県内の中学・高校にコーチとして派遣する「中学・高校運動部スーパーコーチ派遣事業」をはじめ、運動能力に優れた児童を早期に見出して育てる「未来のアスリート発掘事業」、豊かな素質を持つ中高生選手を長期的に育成する「元気とやまスポーツ道場」など新しいスポーツ振興が相次いでスタートしている。

 これらの事業は、一部の有力選手の才能を伸ばすだけでなく、県全体の底上げにつなげなければならない。選手それぞれが的確な指導を受け、力を付けながらスポーツに打ち込める環境の整備が大事だ。息の長い取組みを求めたい。

 

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