スポーツ振興「国の責務」
                            
平成22年7月15日(木)読売新聞
 

五輪メダル最多更新目指す
 

 スポーツ政策の指針として文部科学省がまとめた「スポーツ立国戦略」の原案は、今後10年間で国が取り組む重点戦略や法体制整備のあり方まで広範囲な内容となった。文科省では、原案をふまえ、約半世紀前に作られたスポーツ振興法に代わる「スポーツ基本法」の制定を目指す考えだ。

 

スポーツ立国戦略の原案骨子

  年代に応じたスポーツ機会の創造

  トップアスリートの育成・強化

  スポーツ界全体の連携・協力

  公平・公正なスポーツ界の実現

  社会全体でスポーツを支える基盤整備

 

 原案では、スポーツ振興を「国の責務」と明確に位置付けた。そのうえで、重点戦略として、「トップアスリートの育成・強化」など5項目を挙げた。目新しいのは、競技スポーツと地域スポーツをつなぐ仕組みとして、「スポーツ界全体の連携・協力」を打ち出した点だ。具体的には、引退したトップ選手を総合型クラブ(全国300か所程度)に配置。選手のセカンドキャリア形成と、地域の指導者不足の解消を推進しようという試みだ。

 

 トップスポーツ強化策としては、「五輪のメダル数で過去最多(夏季37個、冬季10個)を更新する」との数値目標を掲げた。引退後のトップ選手の支援策として、「キャリア形成奨励金」を支給し、大学院進学などをバックアップする方針だ。

 また、年代の応じた振興策を明記。小学校就学前の幼児を対象にした運動・スポーツ指針を新たに作るほか、高齢者向けの「体力検定制度」創設も盛り込んだ。

 文科省は原案を今月下旬に公表し、同省ホームページで意見を募ったうえで8月中に決定する見通し。その後は、スポーツ行政の一元化に向け、関係省庁による「スポーツ政策連携会議」を新設。「スポーツ庁」の設置についても検討する。

 

ガバナンス強化 重点項目の一つ

 大相撲の野球賭博問題など一連の不祥事で取りざされた競技団体のガバナンス(統治能力)強化についても、「スポーツ立国戦略」の原案では、重点項目の一つに盛り込まれた。「スポーツ団体の管理運営の透明性を高める」との目標を設置。競技団体の代表者や学識経験者による有識者会議を設け、組織の運営体制のあり方についての指針を策定するとしている。さらに、団体の運営や体制整備の状況を公表させたり、団体運営に選手の意見を反映する仕組みの導入も推進する。

 

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